格子溝の再塗装 / PARKER 75 Sterling Silver

パーカー75 スターリングシルバー(USA) の首軸リング製作修理と、退色した格子溝の塗装を依頼されました。首軸リングの製作は過去何度か採り上げましたので、今回ここでは省きます。リング破損の修理を機に、美しく蘇らせたいとのことでした。

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まずは再塗装前のボディの写真から。パッと見、状態はまずまずですが、所々塗装の剥げが見られます。

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塗装に入る前に、キャップ、胴軸ともすべてのパーツを取り外します。

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オリジナルに近い感じの塗料を全体に塗りました。溝じゃない方の表面も含めて、一気に全体に塗る方が、結果的に効率よく(ムラなく)塗りこめます。

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数十分の乾燥を待ち、表面全体の研磨に入ります。轆轤にセットして、ボディ本体を回転させながら研磨ペーパーで溝以外の塗料を落とします。ボディが踊らずに芯を出して回転できるよう、樹脂材をボディ内側の形状に合わせて削ります。

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荒削り、中間、仕上げの3段階の研磨を経て洗浄を行います。

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パーツをすべて元通りに取り付けて、修理を含めて完了です。新品当時(カタログ写真も)は、こんな感じだったのでしょうか?

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再塗装の前に製作・取付を行った真鍮製首軸リングが映えますね。

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特に刻印文字やブランドのマークのメリハリ感は、再塗装前とは雲泥の差です。さてこの類のリペイントを行う場合、溝と表面の高低差が最低限残っていることが条件となります。言うまでもなく、表面が著しく摩耗していれば、塗料が綺麗に乗らなくなる訳です。

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 このシリーズは今でも人気があるのでご存知の方も多いですが、銀特有のくすみでしばらく使わないと表面全体が自然に黒くなります。銀磨きで研磨すれば綺麗に輝きを取り戻せますが、これを繰り返すと(経年の原因がほとんど)塗装された溝の黒い塗料も摩耗させてしまうことがあります。今回のように、2つの作業を同時にご依頼いただければ、個別で依頼されるより幾らかお値引きも致します。