万年筆製作日誌 / 竹軸両用式

お得意の業者様から、竹節風の万年筆の製作をまとめて頂きました。2種類のエボナイトにカートリッジ式とインク止め式と合わせて10数本! 今回ご紹介しますのはカートリッジ式版です。

先ずは材料の棒材から、各部位のカットをします。カートリッジ&コンバーター両用式なら、キャップ・首軸・胴軸・・・といった具合に。これは竹節のデザインのみならず、普通の形の万年筆でも同じです。

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結構端折りましたが、首軸の製作から。

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竹の形に削る前に、節ごとの位置決めをします。刃先を軽く当てて、丸印のように刻みます。後は決めた溝をより深く掘り、次に真ん中をえぐるように、真っすぐな表面を弓なりに削ります。写真は竹形に削る前と後を並べたものです。

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ここで湾曲に削る刃物=キシャゲに登場頂きましょう。普通の形の軸にも使う、首軸用のキシャゲです。元々は真っすぐな形をしていた刃物ですが、首軸や竹節用にグラインダーや専用砥石で削ってこのような形に作ります。

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キャップのとば口からネジ切りを行っているところ。つまり胴軸の受けネジになります。

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ネジを切り終え、胴軸とネジで繋がった様子です。

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すべて削り終わりました。左側がキャップになります。

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キャップを後ろにポスティングした筆記のスタイル。

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削りが終わった段階では、まだ軸全体に刃物傷や材料の粉が付いたままです。

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ペーパー研磨、バフ研磨、そして水洗いを経てようやく軸が完成しました。

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