ちょっとユニークな万年筆軸を受注・製作しました。個人のオーダーで、2本のご注文でした。ご自身で胴軸に革を巻くことを前提としたもので、胴軸表面の大部分は革の貼り付けスペースとしました。写真のように、約1mmの深さでえぐった形です。
上の軸がキャップを後ろに挿した(ネジ留め)状態、下の軸はキャップを閉じた状態。ほとんど違いが分かりませんが・・・。
以下の写真は納品後にお客さんから送られて来たものです。余程嬉しかったのでしょう、様々なバリエーションを見せて下さいました。なお、すべて本番(接着)ではない仮付けだそうです。 ※すべてお客さんからの解説になります。
色の濃い方が『浅桟革』という漆を塗った革。
白っぽいのはイタリアのアズーラ社の『アラスカ』
『ブッテーロ(革)』
『ミネルバボックス(革)』
『ヒクイドリ(鳥革)』
『ブラジリアンローズウッド(ツキ板)』
どれも見た目だけでなく、手触りでガラリと印象が変わるのが楽しみの一つと仰ってました。また本番ではより厚みの調節を詰めたり、継ぎ目を目立たなくする作業に時間を費やされます。
当然私は張り合わせ後の実物に触れていない訳ですが、依頼主様の拘りがよく伝わり楽しくなって来ました。
なお、お客さんのご希望で実物は外径Φ15mmのシリンダー型で、長さをギリギリまで短くするため、コンバーターも入らない、カートリッジのみの仕様です。