1960年代の国産万年筆のボディ製作を依頼されました。どこも壊れている訳ではありませんが、「書き味、持ったバランスは申し分ありませんが、アルマイトの嵌合式キャップが如何にもチープです」という事でした。2本の製作依頼で、ベースとなる同じモデルのキャップカラー違いを2本お預かり致しました。
より詳細なご希望は①オリジナルとほぼ同じ全長、キャップを後ろに挿した時も同じ ②材料はエボナイト ③クリップは出来れば2種類 ④上下フラットエンド
削りと仕上げ研磨が終わりました。胴軸の形、外径はオリジナルとほぼ同じなので、写真からは質感の違いが伝わりにくいかも知れません。一方、キャップはネジ式のように一回り太く、かなり安定した感じになりました。外径の比やバランスは、一般的なネジキャップの万年筆に似ています。
下がオリジナルのまま、上は胴&キャップとも製作したボディを装着した物です。ご注文通り、後ろに挿した状態でオリジナルとほぼ同じ全長にしました。胴軸側面の削りを繰り返しながらで、この調節が結構難しいです。
2本とも出来立てのボディを装着。ネジの開閉ではなく、板バネを取り付ける嵌合式の製作依頼はとても稀です。さて実際に握ってみると、滑らず軸が少し太くなった分、安定感はかなり向上した印象です。
同じ軸を2本まとめての製作だったため、お値引きしました。