2017-01-01から1年間の記事一覧
ウォーターマンのレディ アガサという一昔前の小型万年筆。カートリッジ交換で首軸を胴軸に取り付ける時、収まりが悪いとのご依頼です。 それもその筈、本来ここには金属製の嵌合リングがある筈が見事にありません。1990年代のシリーズで、現在のウォーター…
国産のカートリッジ式万年筆の修理です。胴軸とキャップは恐らく「黒檀」。 「首軸が胴軸に固定できず、回しても閉まらない。買ったお店(都内の有名専門店)から、『首軸部品を取り換える必要があります』と言われました」というご相談内容の国産万年筆です…
1950年代のモンブラン146 の緑縞(セルロイド)です。 この万年筆の修理ご依頼内容は、以下の3点です。 ①胴軸がかなり曲がっているのでここ全体をなるべく真っすぐにして欲しい ②胴軸が曲がっているせいか、インクが全く吸入できない ③クリップと天ビスがぐ…
前にペリカン101Nの胴軸全体を製作する修理をご紹介しました。今回は一部製作+継ぎ足しで済むケースを採り上げます。経過写真を端折った部分もあって、少しイメージを持ちづらいかも知れませんが、ご了承ください 作業前の万年筆です。この万年筆は近年…
今回は修理日記ではありません。退屈(苦痛)な記事になるかも知れませんが、最後まで読んで頂ければ幸いです。 筆記具工房に、近く2号機になる(予定!?)轆轤がやって来ました。・・・正確には1年近く押上工房に置きっ放しだった物を、やっと引き取って来…
一口に修理と言っても、修理方法が一つしかない場合もあれば、二通り以上ある場合もあります。今回はあまりお金をかけない例をご紹介します。 ペリカンの1970年代のカートリッジ式です。カートリッジ交換をする際に胴軸を開ける訳ですが、そこの首軸側の繋ぎ…
セイフティ(安全操出し式)万年筆の修理をご紹介します。アウロラの18金張りのボディのペンダント型です。セイフティとは初期の万年筆の1つで、スポイントでインクを入れる方式です。要修理箇所は①軸内部の主要メカである螺旋部の破損(折れています)、②…
インク止め式万年筆のコルク(パッキン)交換の様子をご紹介します。今回は一般的なインク止め式ではなく、戦前のスワン(日本版)やサンエスによく見られる、コルク室の無い旧規格です。インク止め式は胴軸に直接スポイトでインクを入れ、中の中芯(ロッド…
ペリカンのアンティーク万年筆(1930年代後半)を直します。胴軸のキャップ受けネジ、丁度書く時指が当たる部分に亀裂が入ってしまった物です。内部のインクが見えるオリジナルの透明軸は、セルロイド製で非常に割れやすい素材なのです。 見事にネジを縦に割…
パーカーのボールペンの修理依頼が来ました。1990年代初期のデュオフォールドです。 お問い合わせでは、「回転して繰り出すタイプなのですが、芯が途中までしか出ない。代理店でも修理不能で断られた」との事です。デュオフォールドは現在でも発売されていま…
高級蒔絵で知られるダンヒルナミキ(1930年代)製品の修理依頼を受けました。といっても、今回は万年筆でもペンシルでもありません。つまり筆記具ではない、とても変わった物です。 この短い葉巻型の胴にあたる下側を開けると、ネジ上の縁が派手に欠損してい…
当ホームページのメニューでもご案内の通り、万年筆のペン先”癖取り”について、ご説明致します。平たく言えば、癖取り=書き癖を取り除いてニュートラルな状態に戻す事。その癖取りの度合いにもよりますが、新品でお店に売られている(に近い)状態+αを基本…
アンティーク・ウォーターマンの鏡面仕上げの銀軸です。インクを吸入しないこと、それ以外に大きな問題が・・・・・・。 胴軸の外ネジが一部大きく欠損しています。このため、首軸を挿し込んでもグラグラと安定せず、とても通常筆記ができません。 作業開始…
アンティーク万年筆の中でも、日本で特に人気の高いONOTOの修理依頼です。メーカー自体は1950年代までありましたが、主に愛用(出回っている)されている個体は戦前のモデルばかりです。この複雑なプランジャー式の修理の需要は多く、これまでかなりの本数を…
モンブランの1950年代のNo.144です。これをご依頼により、透明アクリル材から削り出し、製作しました。元の軸は特に破損していませんでしたが、経年で著しく痩せていました。「いつ破損するか不安なので、いっそ胴軸ごと新たに作って欲しい。そしてどうせ作…