ノブを回転させても芯が出ない状態のペンシルをお直ししました。パーカー・デュオフォールド(復刻)の発売初期にあった0.9mm回転繰り出し式です。お預かり・点検して、芯の出し入れができない原因はすぐ分かりました。 内部螺旋チューブユニットと回転ノブ…
以前にも採り上げたアウロラのピストン吸入式の、それも全く同じ壊れ方をした万年筆の修理を依頼されました。限定品のユビレウムというモデルです。ボディのデザインが異なるだけで(前回の)オプティマ型と内部構造はすべて同じ。と思いきや、外観のインク…
キャップがしっかり嵌合しない、というご相談の万年筆をお預かりいたしました。モンブラン144の一昔前のモデルです。首軸リングの腐食もやや進行した状態だったため、当初は嵌合が甘い(全く抵抗なし)のはこれが原因だと思いました。しかしキャップ内を幾ら…
「筆記中にどこからかインクが漏れていて、手が汚れる」という万年筆の修理を依頼されました。ウォーターマンのプレファスでした。 お預かりして点検してみると、確かにインクが指に付着します。金色のリングと、キャップ受けに当たるフランジとの隙間からで…
繰り出し式ペンシルの、全ユニット交換&コネクター製作という大修理を行いましたので、その記録を採り上げます。回転繰り出し式とは100年以上前に発明されたシャープペンシル黎明期の方式で、キャップチューブ側を回して芯を出し、反対に回して収納を行う機…
モンブラン マイスターシュテュック144 (CF)の首軸が、ご覧のように胴軸と開閉するネジの所から破断してしまっています。これは(主に)カートリッジ式ならではの壊れ方ですが、首軸の修理ではある意味これが一番難しいです。例え接着してもネジをしっかり…
デルタ ドルチェヴィータ(万年筆)の、破損したキャップの修理になります。ほぼ同じ時期にそれぞれ別の方から依頼されたので、2本まとめてお直ししました。 右がスリム、左がミディアム・ピストンフィリング。サイズこそ違えど、作業は同じです。2本とも、…
ちょっと複雑な機構を持つ、珍しい製図用シャープペンシルの修理を依頼されました。ぺんてるの1960年代のメカニカMECというモデルです。修理のご依頼内容は2点。 ①ノックが作動しない、つまり芯が出ない ②ペン先を保護するパイプが正常に動かない 下は修理後…
今回はセーラーミニのキャップのみ作りました。 前回がリングだけを移殖した円柱形であるのに対し、オリジナルと全く同じ形での製作依頼でした。リングの他、クリップや天ビス、インナーキャップ等すべてのパーツを移殖しています。 材料は青/黒の縦縞模様…
ペリカン100N のキャップをお直ししました。写真はまだ修理する前の一枚。 キャップの縁からリングの少し上辺りまでクラックが出来てしまっています。このモデルは接着で補修しても、(写真のように)尻軸に挿すと再び傷口が開いてしまうため、依頼者様には…
胴軸がインクビュー付近から折れてしまった、アウロラ万年筆の修理を依頼されました。リミテッドエディション『アフリカ』。 透明アクリルのインク貯蔵部が、首軸内側の接続部分で真っ二つに折れてしまっています。この類の破損は過去の例でも、接着しても再…
キャップのひび割れが著しい万年筆をベースに、キャップと胴軸の製作を依頼されました。ベースはセーラー・ミニ(大)21K。 材料は赤/黒のカラーエボナイトで、胴軸はオリジナルと同じ形、キャップはリングを流用、クリップ無し。そして極力円柱に近いデザ…
轆轤の架台に据え付けてある、刃物ラックがもう半年以上前から一部崩壊状態のまま使って来ました。が、それももう限界でした。これは轆轤が架台ごと完成して間もない頃、自分で作った物なのでした。ところが素人大工の悲しさからか、徐々に傾いたかと思えば…
修理依頼品:オマス OMAS リミテッドエディション ハルモニア・ムンディ x 2本 ①チタン ②18Kソリッド ホワイトゴールド オマスの同じデザインの限定万年筆2本をお直ししました。本体軸はチタン、18Kソリッド(ホワイト)ゴールドの2種類で、それぞれの胴軸&…
数か月前に弊所でオーダー製作・納品した万年筆をお預かりしました。ペン先の筆記調整や、キャップを後ろに挿す時の安定性向上など、ちょっとしたメンテナンスでした。 個人のお客さんからのオーダーなので、デザインや材料の色の選択等もすべてご注文通りで…
メーカーにペリカンM800・赤縞の代替パーツがもうないとのことで、修理を2本まとめて依頼されました。首軸と胴軸の境目辺りからインク漏れで手が汚れる、という1本。そしてもう1本もほぼ同じ症状ですが、ねじの所から水平クラックが2ヵ所ほど見えてしまって…
万年筆のペン先曲がりの修理は、よく依頼される修理の一つです。一口にペン先曲がりと言っても、曲がってしまった原因や曲がり方は様々ですが、今回のようにペンポイントが横報告に反れる破損は厄介です。矯正作業の段階でペンポイントが取れてしまうリスク…
吸入式、とりわけモンブランやペリカンでお馴染みのピストン吸入式は相も変わらず万年筆好きに人気の方式です。簡単な操作で大量のインクを充填出来て、水洗いもやはり簡単であることがその主な理由だと思います。またこの機能を持つというだけでも、ペン字…
ペリカンはもちろん、ピストン吸入式で最も小さいであろう万年筆・M300系の軸折れ修理依頼です。ご依頼の万年筆はM300シリーズの限定モデルのM320 ルビーレッドでした。これまで同様の破損例はM400やM800 の修理で診て来ましたが、M320は稀です。稀と言いま…
破損した蒔絵塗り万年筆の修復を行いました。戦前のダンヒルナミキ・オリジナルで、胴軸が上下2ヵ所も大きなダメージのある難しいご依頼品でした。バランス型のボトム部がレバーから下、見事に欠損してしまっています。 どうも欠損してしまったと言うより、…
ウォーターマン ル・マン100&200 に多い修理依頼が、首軸内部の破損です。 薄い樹脂のインナーセクションが千切れたりして、首軸のパーツがばらばらに外れてしまうのです。今回の例は、キャップを抜いたらペン先ごとすべてキャップ側に持って行かれ、外れな…
モンブランの作家シリーズ、ヴァージニア・ウルフのキャップを作ってお直ししました。 お預かり時は、写真のように応急処置的に接着された状態でしたが、このように水平に破断した状態では強度を保てません。 軽く引っ張って、簡単に外れてしまいます。キャ…
モンブラン/スターウォーカーのボールペン修理は何度か採り上げましたが、今回ご紹介するのは軸の真ん中から上がすっぽ抜けて、そのまま元に戻らない破損です。こういった修理依頼は何度かお受けしているため、ご相談の時点ですぐピンと来ます。”カム”の破…
以前当ブログでご紹介しましたペリカンのほぼ同じモデル(1970年前後の両用式万年筆)の、胴軸と開閉するインクビュー一体のネジが同じように破損した例です。 hikkigukobo.hatenablog.com 前回は同じ形状のペリカーノ (mk2) から、ネジ部をカットして移殖し…
天冠ごと折れて、クリップが固定出来なくなった状態の万年筆をお預かりしました。ティファニーと言えば筆記具ではスターリングシルバーがメインのようですが、こちらは大柄な樹脂製のアトラス。 本来、(分離して天冠側に残った)ナット形リングがネジ固定さ…
オマスのツイスト式ペンシルをお直ししました。キャップチューブ側を半回転ほど右に捻ると芯が出る構造ですが、空回りして出ません。 消しゴムのすぐ下の、突起があるメタル転子が回って内部の可動部が上下する仕組みです。ところがメカの樹脂カバーに亀裂(…
修理依頼のペン:ハリー・ウィンストン ローラーボール ネジ式キャップのペンで、キャップ内部のネジが分離破損して閉まらなくなりました。ネジが半分以上失われています。一方胴軸側にもげたネジの樹脂部分が持ってかれています。 本来ネジ山が見える部分で…
アウロラ 2009年の限定モデル『ルナ』の万年筆をお直ししました。インク貯蔵部、いわゆるインクビューの所から水平にポッキリ折れてしまっています。実は2年前に一度接着でお直ししてありますが、最近再びインクが滲んで手が汚れるとのことでお預かりしまし…
今回はアンティーク・モンブランのとても小さな吸入パーツの一部を作って組み込むという、かなり難易度の高い修理を行いました。 「折角モンブランNo.256を入手したものの、ピストンが空回りして全く吸入が出来ない」というご相談でした。確かに尾栓を回して…
口金が外れて紛失した状態の回転式ボールペンの修理です。『デルタ ドルチェヴィータ・スリム』 口金と本体を繋ぐ黒い樹脂のグリップも割れてました。クラックの接着対応では、これから作る口金を差し込む際、力負けして再び割れてしまうことは明らかです。…