少し久し振りのインク止め式製作

このところ、数本のインク止め式万年筆の製作に追われていました。個人様からのご注文が立て続けにありまして、その一部をここにご紹介します。一口にインク止め式を作ると言いましても、個人様のご依頼である以上、形や大きさ、ペン先やペン芯はお手持ちの物か在庫からか等々すべて条件は異なります。

 

デスクペン型のロングサイズです。写真はペーパーによる傷取りまで終えた状態。

・胴軸の最大径φ15mm、キャップφ17mm

・ペン先は依頼主様所有の物を、完成時に取付け

・インク容量:最低1.5cc → 作ってみると、ゆうに5cc以上入りました!

 

今回は最初から依頼主様が図面を用意されまして、すべて図面通りの数値/形状に削り出せました。キャップの縁や首軸の形状など、過去ここまで直線で角張ったペンは作ったことがありません。実際「本当に全く角を丸めたりしなくてもよろしいのですか?」と念を押した程です。

クリップレスのキャップに取り付けた転がり防止のストッパーも、もちろん図面通り。

 

お任せいただいたことと言えば、胴軸/キャップ開閉のネジの条数と、インクの出を調節する尾栓の切り込み位置ぐらいでした。ネジはまあ、セオリー通りの早(はや)ネジこと4条で切りました。

 

使う18Kペン先にピッタリの、エボナイト製止め式用ペン芯。

 

艶出し研磨を終えて、完成。因みにオーナー様は初のインク止め式で、とにかく大量&長時間筆記ができる万年筆が欲しかったそうです。普通は希望する形・細かい仕様に対し、切削や構造上の事情からやや修正等を加えるものです。それが今回は不思議なほど、ほぼその必要はありませんでした。