プラチナ70周年吸入再生 / Platinum 70th Anniversary Celluloid

1989年に発売されたプラチナ70周年記念の万年筆で、エメラルド・スパターと言うグリーンセルロイド版です。回転吸入式ですが、全くインクを吸い上げません。プラチナ本社でもパーツ保管が終了したため、現在受けられないそうです。

作業に入ります。回転つまみ(尻軸)がちゃんと作動するので、内部の吸入弁の摩耗か脱落は明らかでしょう。

f:id:hikkigukobo:20180930002205j:plain

 

プラチナ70周年は素材やフォルム、サイズなど幾種かあり、かなりのバリエーションから選べるシリーズでした。しかし、吸入機構及び内部のパーツはほぼ共通でした。この万年筆のボディパーツや吸入機構の一部は接着中心で、まず知識や設備がないと分解できない構造となっております。ペン先・ペン芯を抜き、首軸から外します。ここも接着されており、回しても引っこ抜こうとしてもまず外れません。写真では省略しましたが、まず熱などで糊の固着を緩くした後本体を轆轤にセットします。そして、モーター回転の遠心力で首軸の枠を取り外しました。

f:id:hikkigukobo:20180930002213j:plain

 

次にこれまたネジ+接着されたカバーを外します。

f:id:hikkigukobo:20180930002245j:plain

 

するとピストンの弁となる、Oリングが真っ二つに切れた状態で出て来ました。本来これが胴軸シリンダー内をシーリングして上下することにより、吸入・排出できるのです。ところがこれでは全く吸入できません。

f:id:hikkigukobo:20180930002224j:plain

f:id:hikkigukobo:20180930002234j:plain

 

新しいOリング(ホームセンター等では売られていない規格)を取り付け、パーツ及びシリンダー内を洗浄します。

f:id:hikkigukobo:20180930002254j:plain

 

元通り組立て&簡易接着を行いました。吸入・排出の試験を経て、基準量のインク吸入を確認出来たら完了です。今回、パーツが破損していなかったから良かったですが、そうでなければこちらでもオリジナルでのお直しは出来ません。また、この万年筆は轆轤挽きで作られている(吸入機構を除く)ため、前述のように轆轤を使わないと修理出来ない構造です。

f:id:hikkigukobo:20180930002301j:plain