2023-01-01から1年間の記事一覧

ボールペンのグリップ割れ修理 / Montblanc Hemingway

ほぼ同じ時期に、モンブラン・ヘミングウェイ(限定)のボールペンの修理依頼が来ました。効率を考え、2本まとめてお直しすることにしました。 左の矢印が示すように、縦にカーヴした大きなクラックがあります。一方の右のペンは、クラックが更に進行し、グ…

ペンシルの首軸作成 / Burberry & Pentel

バーバリーの一風変わったペンシル(ぺんてる製)の修理を依頼されました。万年筆のようにキャップを被せる珍しいデザインです。モデル名は知りませんが、ベースはぺんてるのケリーで、操作方法や仕様はまったく同じ。いわゆるキャップ式のペンシルです。ケ…

ピストンシール作り / PELIKAN 1935 Jade Green

ペリカン限定万年筆の吸入修理を行いました。ペリカン・オリジナル100の形を復刻した限定版、1935のジェイドグリーンです。 「尾栓を回しても空回りする感じで、まったく吸入しない」というご相談でした。症状を聞く限り、2点の問題が考えられます。1つはピ…

エバーシャープのプランジャー式修理 / EVERSHARP Doric

今回はオノトとは別のプランジャー式万年筆の修理をご紹介します。アメリカのエバーシャープ・ドリックの修理依頼が2件も重なったため、採り上げることにしました。ドリックにはレバー式とプランジャー式の2つの吸入方式がありましたが、後者の方が生産数が…

『プランジャーロッド製作』 ピン用の材料導入で作業性アップ / Onoto

オノト・プランジャー式万年筆の修理依頼は割と多く、過去何度かご紹介しました。今回はプランジャーロッド製作過程の補足と、クロスピンについて触れます。 初期モデルとそのモデルチェンジ版であるストリームラインの2本を同時にお直ししました。まずはシ…

前期型と後期型をまとめて / Pelikan 101N Light-tortoise, 100N Marbled green CN

ペリカン100Nシリーズのボディ製作修理をご紹介します。構造がやや異なる新旧2本を、比較する形で採り上げてみました。 こちらは前期型にあたる101N ライトトータス・ブラウン軸。 インクと経年の汚れで、インク窓に大きなクラックが数か所あります。インク…

大修理 / WATERMAN Watermina

ウォーターマンの”ウォータミナ”万年筆をお直ししました。それも直すべき箇所満載の、大修理とあいなりました。モデル:Watermina 44 概ね以下の症状です。 ・キャップ内側のとば口が、一部欠損 → ネジがないため、閉められない ・キャップトップが破損、ク…

今度はロングインクビュー / Montblanc L139G

前回の修理から丁度1年後に、同じモンブラン 139 の胴軸製作の依頼がありました。 その前回がこちら ☟ hikkigukobo.hatenablog.com 内容がほぼ同じなので、解説と写真はかなり端折ります。 大きな違いは今回の破損品はロングインクビューだったことです。オ…

ボールペンのグリップ折れ / Montblanc Limited Edition Marcel Proust

机からの落下の衝撃により、グリップが分離破損してしまった銀軸のボールペンをお直ししました。このペンはモンブランの作家シリーズ(限定)で、1999年発売のマルセル・プルースト(万年筆・ボールペン・ペンシル)。 本体軸と繋ぐ雄ネジのほぼ根元から、水…

ボールペン修理日誌 ~ツイストメカすっぽ抜け~ / Louis Vuitton

胴軸とキャップチューブが固定されなくなったボールペンをお直ししました。ルイ・ヴィトンのジェットラックというスリムなモデルです。胴軸とキャップはネジで固定されていますが、スカスカな状態でネジ山が全く噛み合わずすっぽ抜けてしまいます。メタルの…