ピストン吸入式 ~すっぽ抜ける!?~ / PELIKAN 101N Tortoise Shell

「旧式ペリカンの吸入が上手く出来ない」という修理のご依頼を受けました。パッキンの収縮等でインクを十分に吸入しない、或いは機構の不具合で回転ノブが回らない・・・等々大体予想はつきます。ペリカンの1940年代のNo.101N トータス・シェル・ブラウンで…

ウォーターマンCF用コンバーター① 修理編 / WATERMAN C/F Converter

今回はコンバーターの修理をご紹介します。コンバーターも消耗品と言えるので、修理して使えるようにする機会(ご依頼)はとても稀です。しかし今回のウォーターマンCF用のように、現在入手出来ないとか、廃盤規格の場合は修理して使えるようにせざるを得ま…

テレスコープ式尾栓の製作 / Montblanc MEISTERSTÜCK 136

テレスコープ吸入機構を持つ、モンブラン136の尾栓製作のご依頼です。尾栓が完全に欠損した状態でのお預かりでした。 (通常では外れない)尾栓が無いため、写真のように尾栓を留めるネジが完全に露出した状態になっています。ここはまず見る事が出来ません…

キャップネジ受け部の修復 / Delta Parthenope Old Napoli, DOLCEVITA Mini

胴軸の外ネジ(雄ネジ)が一部欠けた万年筆をお直ししました。今回2本とも”とば口”が同じ破損状態のデルタを採り上げました。1本目はオールドナポリ。首軸を閉めた時に底面が接するネジの上が、水平状に一部欠損してしまっています。 樹脂材を継足し、ネジ切…

ソケット製作その2 / KAWECO Sport , OMAS

以前もご紹介しましたペン先とペン芯を固定するソケット。主にピストン式の万年筆に採用されているパーツで、今回は2例を採り上げます。 ①カヴェコ・スポーツの限定品 ソケット破損というより、紛失の状態でお預かりしました。困ったことに、破損したオリジ…

カートリッジ式のインク漏れ / PLATINUM 旧#3776バランス(エボナイトペン芯)

首軸周りからインクが漏れて手が汚れる、という修理のご相談を頂きました。プラチナ#3776 の旧型で、ペン芯はエボナイト製。年式的にメーカー対応可能な筈です。しかしお客さんが問い合わせたところ、修理可能だけどペン芯も交換が必要で後年のプラスティッ…

紛失した首軸作り / DELTA DOLCEVITA

どのようないきさつか分かりませんが、首軸パーツのみを紛失してしまったという万年筆の首軸製作のご依頼を頂きました。ドルチェヴィータのミディアムです。幸い、ペン先とペン芯はお持ちで一緒にお預かりしました。デルタは近年廃業してしまったメーカーで…

万年筆製作日誌 Conway-Stewart の材料をつかって

「コンウェイ・ステュワートの柄で、1本作って欲しい」というご依頼で製作しました。もちろん当工房でオリジナルの材料はないため、お客さんの方で入手して貰っての取り組みとなります。 入手を待って、後日10数センチのコンウェイオリジナルのアクリル材3本…

セルロイド軸接合修理 / VISCONTI Michelangelo Grande

ヴィスコンティのセルロイド製万年筆の胴軸を修理しました。ミケランジェロ・シリーズの大型の方の万年筆、グランデ(プランジャー式)。 胴軸のネジよりやや下の部分が水平に割れて、亀裂が一周してしまっています。また、小さい破片も数ピース欠損しており…

万年筆製作日誌 革巻き用

ちょっとユニークな万年筆軸を受注・製作しました。個人のオーダーで、2本のご注文でした。ご自身で胴軸に革を巻くことを前提としたもので、胴軸表面の大部分は革の貼り付けスペースとしました。写真のように、約1mmの深さでえぐった形です。上の軸がキャッ…

モンブラン両用式 首軸修理② / Montblanc Classic & 221

以前にもモンブラン3桁シリーズの首軸破損の修理をご紹介しました。 モンブランのカートリッジ式 首軸修理 / Montblanc No 221 - 筆記具工房のブログ 今回は2本の修理例をご紹介します。 1本は前回と同様、コネクター部の製作。そしてもう1本はコネクターと…

ボールペン口金破損 / Montblanc Starwalker

ボールペンを落として、口金部分が分離破損してしまいました。モンブランのスターウォーカー(メタルラバーライン)です。このモデルは特にここの部分が衝撃に弱いらしく、皆同じ壊れ方でたまに修理依頼があります。 正確にはメタルの口金そのものが破損した…

万年筆製作日誌 / PILOT エリート E-300

1960年代の国産万年筆のボディ製作を依頼されました。どこも壊れている訳ではありませんが、「書き味、持ったバランスは申し分ありませんが、アルマイトの嵌合式キャップが如何にもチープです」という事でした。2本の製作依頼で、ベースとなる同じモデルのキ…

キャップ装飾リング製作 / Montblanc L139

キャップの縁が欠けた大型アンティーク・セルロイド製万年筆の、外形復元修理をご紹介します。実は写真を撮る前に作業に取り掛かってしまい、ご依頼時の姿をお見せすることが出来ませんでした。したがって、下のような状態からのスタートです。言い換えれば…

ペリカン ペン先がグラついたら / PELIKAN 140, 400NN

アンティークのペリカン万年筆を入手されたばかりの方から、吸入の不具合と並んでよくご相談を受けるのが、ペン先のグラつき。ペン先とペン芯を固定する役目のソケットが取り付けられているのですが、 #120, 140, 400NNの後期型はここが割れていることがよく…

万年筆製作日誌 / シガータイプ

お客さんからのご注文で葉巻型の万年筆を作りしました。 エボナイトの葉巻型で直径はなるべく細め、クリップなし、上下は丸く、全体をマット仕上げ、首軸を含むペン先ユニットはお客さんから預かった物を使う事・・・等々がご依頼の内容でした。 制作に入り…

ローラーボールの修理 / Montblanc Miles Davis RB

モンブランのローラーボール(限定品:マイルス・デイヴィス)をお直ししました。ご覧のように、胴体が樹脂とメタルの境目から真っ二つに折れています。 本来は胴軸の破断面にはグリップを取り付けるための、雄ネジがあった筈ですが首軸側に持って行かれてま…

2色ボールペンの修理 / Montblanc Slim line 2 color BP

回転式2色ボールペンをお直ししました。モンブランの80年代のS(スリム)ラインシリーズです。右に回せば青、左が赤、中間のニュートラル部分で芯が引っ込む構造で、多機能ペンの元祖的な物のようです。当然色の組み合わせは自由ですが・・・。 故障の内容は…

中身ほぼすべてを製作 : Montblanc 744

2本のアンティークモンブラン、#744 & #744Nをお直ししました。①744Nは吸入のお直し、②744は当初のご依頼は吸入の修理と首軸の製作でした。お預かり時、胴軸は首軸よりもさらに痩せて、外径も見た目で細くなってしまっているのが分かる程でした。 当初から…

万年筆製作日誌 ~適当に作ったオーソドックスモデル~

過去製作した万年筆で、今回は手作り万年筆としては低予算での製作例を採り上げます。 首軸を含めた金ペン先ユニットは国産メーカーからの流用で、キャップ、胴軸を製作したカタチになります。クリップ、キャップリングは当工房の在庫を使いました。 形状が…

分断したペンシル / Montegrappa 300

モンテグラッパのツイスト式ペンシルです。写真の胴軸とペンシルメカを収めるカバー、ここを繋ぐネジの脚から破断してしまっていました。お預かり時、この千切れたネジはカバー内部に残っていて外れない状態でした。このわっか状になった破断面を接着するこ…

万年筆の胴軸製作(モンブラン) / Montblanc Ⅲ Jade Green

アンティーク・モンブランの胴軸製作の修理です。非常に貴重なジェイドグリーンのセルロイドボディで、何でもこの状態で海外から入手されたとか。 ただ現物をよく見ると、丁度インク窓と色柄の境目で水平に破断しています。不幸中の幸いか、ジェイドグリーン…

インク止め式の胴軸修理(製作)

胴軸が真っ二つに折れた、インク止め式の万年筆を依頼されました。ネジより少し下が完全に破断してしまっています。 ここは接着では今後の耐久性を保証できないため、依頼主様と相談した末、胴軸部分だけを製作して対応することに決まりました。 採寸後、同…

ボールペン口金製作 / Pelikan K320 Orange

軸の先端が割れたペリカンの小型ボールペンで、金属の口金(くちがね)も紛失してしまっています。百貨店経由でメーカーから修理不能と断られたそうです。つまり同じ色のパーツそのものをストックしていないのだと思います。 近年のカラフルなレジンは衝撃に…

ペン先の修理・変形矯正

2本のペン先曲がりの万年筆を採り上げます。先ずはMontblanc 221から。見た目はそれほど変形している訳ではありませんが、明らかに先端が両方とも歪み、結果として引っ掛かり・インク切れを起こしていました。 専用のヤットコ数種で曲がった左右を整えます。…

コンクリン、セイフティリングの修理 / Conklin Filigree

コンクリン・クレセントフィラーの大修理です。1920年代のオリジナル・コンクリンで、フィリグリー(透かし彫り)版です。お預かりした時は、唖然としてしまいました。まあ~エラい状態でした。 サック交換の際に失敗したのか、胴軸のネジ周りが2ピースも欠…

首軸製作 / PARKER 75

これまでパーカー75の首軸リング製作の修理は2度ばかりご紹介して参りました。しかしインク漏れや付着のもう一つの原因は、グリップ部である首軸そのものの変形や破損です。75の首軸破損、特にクラックの場合は他の万年筆のように接着で直ることはほとんどな…

万年筆製作日誌 / 竹軸インク止め式

前回に続き似たような竹風のストレート型、それもインク止め式の製作をご紹介します。竹+インク止めとなると、弊工房としましても最も製作難易度が高い万年筆の一つです。 どの軸を製作する場合もそうですが、無垢の材料からドリルで下(した)穴をあけると…

万年筆製作日誌 / 竹軸両用式

お得意の業者様から、竹節風の万年筆の製作をまとめて頂きました。2種類のエボナイトにカートリッジ式とインク止め式と合わせて10数本! 今回ご紹介しますのはカートリッジ式版です。 先ずは材料の棒材から、各部位のカットをします。カートリッジ&コン…

セイフティ万年筆の修理(スタビライザー交換) / SOENNECKEN

古いセイフティ万年筆(ドイツ:ゾーネケン)の修理とメンテナンスを行いました。スポイト式の相当昔の万年筆の割には非常に状態がよく、決定的な故障・破損は特に見られない1本です。お客さんからはお任せの形で、使える状態に持って行きます。修理とメンテ…