パーカー75の繰出し式ペンシルの修理依頼が2件重なり、まとめてお直ししました。今回は修理の内容は省き、消しゴム交換をご紹介します。1本は消しゴムがほぼ使い切られた状態で、使える部分はほとんどありません。 白い方が交換した新しい消しゴムです。この…
ペリカン M300の修理を2件、ご紹介します。何でも廃盤からまだ数年だというのに、既にメーカーでは部品在庫がなく、修理を断られたそうです。 まず1件目。「胴軸と首軸が外れてしまって、破損はしていないと思う」というご相談の万年筆。実際にお預かりして…
胴軸の一部が割れたボールペンの修理依頼です。エス・テー・デュポンのデフィで、パラディウムと樹脂の2重構造の初期モデルになります。 赤い半インナーの樹脂軸は、クラックを接着補修した痕が見られます。当初から代替のインナー製作でのご依頼でした。使…
落下により、胴軸と尾部が折れてしまったローラーボールをお直ししました。 モデル:モンテグラッパ エレガンツァ スターリングシルバー 樹脂が水平破断してしまっています。 他、クリップの先端にある筈のウィール(ボール)の製作も依頼されました。これは…
ボールペンをノック、或いはツイスト操作で芯を出そうとしても、先端がほんの僅かにしか出ない故障がしばしばあります。理由はいくつかあるのですが、主に内部のノック/ツイストメカの不具合でパーツの摩耗や固定位置の狂い等により起こります。 今回の修理…
ペン先、ペン芯が固定出来ずバラバラな状態の万年筆(レディ・シェーファー)の修理を依頼されました。写真はこれでも本来の姿に近付けるべく並べた状態。 カートリッジ式とはいえ、シェーファーならではのトラインフニブ(ペン先)を持つ故の、非常に特殊な…
天冠がない状態の、英国パーカーのヴィクトリー。ご依頼はそのまま、天冠を取り付けて欲しいというものでした。 天冠( 英語ではJewel )を受ける雌ネジがむき出し。 天冠を作るだけならこのまま作業に入れるのですが、クリップも少し開いた状態だったので、…
カートリッジ式に改造された”元インク止め式”万年筆を、再びインク止め式に戻すという、文章にするとかなりややこしい(実際にも)作業を行いました。それも3本! こちらの1本は作業経過をほとんど撮りませんでしたが、まずはご覧いただきましょう。 ご覧の…
モンブランの4色ボールペンの(一部)お直しをしました。同社の1960年代の製品 Pix-o-mat(ピクソマット)です。赤いリフィルだけどうしても装着できない、というご相談でした。これは振り子式と呼ばれる、重力を利用したユニークな機構で、内部のプッシュロ…
ほぼ同じ時期に、モンブラン・ヘミングウェイ(限定)のボールペンの修理依頼が来ました。効率を考え、2本まとめてお直しすることにしました。 左の矢印が示すように、縦にカーヴした大きなクラックがあります。一方の右のペンは、クラックが更に進行し、グ…
バーバリーの一風変わったペンシル(ぺんてる製)の修理を依頼されました。万年筆のようにキャップを被せる珍しいデザインです。モデル名は知りませんが、ベースはぺんてるのケリーで、操作方法や仕様はまったく同じ。いわゆるキャップ式のペンシルです。ケ…
ペリカン限定万年筆の吸入修理を行いました。ペリカン・オリジナル100の形を復刻した限定版、1935のジェイドグリーンです。 「尾栓を回しても空回りする感じで、まったく吸入しない」というご相談でした。症状を聞く限り、2点の問題が考えられます。1つはピ…
今回はオノトとは別のプランジャー式万年筆の修理をご紹介します。アメリカのエバーシャープ・ドリックの修理依頼が2件も重なったため、採り上げることにしました。ドリックにはレバー式とプランジャー式の2つの吸入方式がありましたが、後者の方が生産数が…
オノト・プランジャー式万年筆の修理依頼は割と多く、過去何度かご紹介しました。今回はプランジャーロッド製作過程の補足と、クロスピンについて触れます。 初期モデルとそのモデルチェンジ版であるストリームラインの2本を同時にお直ししました。まずはシ…
ペリカン100Nシリーズのボディ製作修理をご紹介します。構造がやや異なる新旧2本を、比較する形で採り上げてみました。 こちらは前期型にあたる101N ライトトータス・ブラウン軸。 インクと経年の汚れで、インク窓に大きなクラックが数か所あります。インク…
ウォーターマンの”ウォータミナ”万年筆をお直ししました。それも直すべき箇所満載の、大修理とあいなりました。モデル:Watermina 44 Night And Day 概ね以下の症状です。 ・キャップ内側のとば口が、一部欠損 → ネジがないため、閉められない ・キャップト…
前回の修理から丁度1年後に、同じモンブラン 139 の胴軸製作の依頼がありました。 その前回がこちら ☟ hikkigukobo.hatenablog.com 内容がほぼ同じなので、解説と写真はかなり端折ります。 大きな違いは今回の破損品はロングインクビューだったことです。オ…
机からの落下の衝撃により、グリップが分離破損してしまった銀軸のボールペンをお直ししました。このペンはモンブランの作家シリーズ(限定)で、1999年発売のマルセル・プルースト(万年筆・ボールペン・ペンシル)。 本体軸と繋ぐ雄ネジのほぼ根元から、水…
胴軸とキャップチューブが固定されなくなったボールペンをお直ししました。ルイ・ヴィトンのジェットラックというスリムなモデルです。胴軸とキャップはネジで固定されていますが、スカスカな状態でネジ山が全く噛み合わずすっぽ抜けてしまいます。メタルの…
モンブランのテレスコープ吸入式の修理と言えば、まず第一に摩耗したコルクの交換。その一方でコルクを取り付け、固定させるためのスタッドやナットがダメになってしまっている例も少なくありません。コルクスタッドとは、(コルク)シールを取り付けるため…
歴代パーカーの中ではややマイナーな部類に入るモデル、パーカー65をお直ししました。時代的にパーカー61にほぼ被るシリーズで、ペン先の形状以外、サイズや共通パーツもあって兄弟のような位置付けだったようです。そんなモデルだけあって、当工房でも修理…
古いモンブランの万年筆の胴軸を2本まとめて作りました。モデルは14Xシリーズ最小の、マイスターシュテュックNo.142。どちらも前期型の、それも胴軸がほぼ同じ壊れ方だったため、効率良く直せました。 この万年筆は吸入不良のピストンシールを交換するために…
胴軸が破損したペリカン500のマザー・オブ・パールをベースに、持ち主様のご依頼で首軸を含む胴軸全体をカスタマイズの形で作りました。 写真のように、マザーオブパール(セルロイド)の表面が網の目のようにクラックが入ってしまっており、最初からこの軸…
モンブランの作家シリーズ(限定版)、アガサ・クリスティーのボールペンのキャップをお直ししました。キャップの縁の一部が、大きく欠損してしまっています。一旦残りの部分も削り取って、同じ黒い樹脂材を使って縁部分を作って接合する方法を採りました。 …
モンブランNo.149のインク漏れを直しました。149のなかでも滅多にお預かりする機会のない、通称”第2世代”、1960年代のモデルになります。オリジナルのピストンシールの経年収縮が原因と見られ、吸入・排出を繰り返すと、徐々にシール裏側にインクが入り込み…
キャップチューブの頭をノックして、芯の出し入れを行うキャップスライド式のボールペンをお直しします。そのキャップと軸が内部パーツの破損により分離してしまい、固定出来なくなってしまっています。本来はキャップチューブ内のスライドメカのねじで固定…
インク漏れのするアウロラ88をお直ししました。直したと言っても、例の如くインクビュー一体型のインクタンク全体を作って取り付けたお話です。 この記事を書いている現在、88のインクタンク製作経験は3本になりますが、一番最初に依頼された1本がこの万年筆…
パーツ在庫終了により、メーカーに修理を断られたパイロット・スーパー500。吸入器と胴軸の破損で、使えない状態でした。写真のように、胴軸がとば口側から破損、一部欠損してしまっています。 胴軸を開けると、本来装着されている筈のノブ式の吸入器が外さ…
天ビスの破損したモンブラン No.74です。ホワイトスターの再生までは出来ませんが、黒の樹脂で同じ形のパーツを拵えることで、修理対応をしました。すでにトップの半分は欠損しており、見た目だけではなくクリップも固定できない状態でした。 セルロース樹脂…
胴軸がひび割れたアンティーク万年筆を、お客さんご自身が入手された材料を使ってボディを作るという、なかなか凝ったご依頼をいただきました。万年筆はモンブランNo.134 で、使う材料は戦前(外国製)のカラーエボナイト。同時にお預かりの材料も製造された…