天冠の再生 / PARKER VICTORY

天冠がない状態の、英国パーカーのヴィクトリー。ご依頼はそのまま、天冠を取り付けて欲しいというものでした。 天冠( 英語ではJewel )を受ける雌ネジがむき出し。 天冠を作るだけならこのまま作業に入れるのですが、クリップも少し開いた状態だったので、…

魔改造のツケ インク止め式➡カートリッジ式➡インク止め式

カートリッジ式に改造された”元インク止め式”万年筆を、再びインク止め式に戻すという、文章にするとかなりややこしい(実際にも)作業を行いました。それも3本! こちらの1本は作業経過をほとんど撮りませんでしたが、まずはご覧いただきましょう。 ご覧の…

4色ボールペンのリフィルが装着できない / Montblanc Pix-o-mat

モンブランの4色ボールペンの(一部)お直しをしました。同社の1960年代の製品 Pix-o-mat(ピクソマット)です。赤いリフィルだけどうしても装着できない、というご相談でした。これは振り子式と呼ばれる、重力を利用したユニークな機構で、内部のプッシュロ…

ボールペンのグリップ割れ修理 / Montblanc Hemingway

ほぼ同じ時期に、モンブラン・ヘミングウェイ(限定)のボールペンの修理依頼が来ました。効率を考え、2本まとめてお直しすることにしました。 左の矢印が示すように、縦にカーヴした大きなクラックがあります。一方の右のペンは、クラックが更に進行し、グ…

ペンシルの首軸作成 / Burberry & Pentel

バーバリーの一風変わったペンシル(ぺんてる製)の修理を依頼されました。万年筆のようにキャップを被せる珍しいデザインです。モデル名は知りませんが、ベースはぺんてるのケリーで、操作方法や仕様はまったく同じ。いわゆるキャップ式のペンシルです。ケ…

ピストンシール作り / PELIKAN 1935 Jade Green

ペリカン限定万年筆の吸入修理を行いました。ペリカン・オリジナル100の形を復刻した限定版、1935のジェイドグリーンです。 「尾栓を回しても空回りする感じで、まったく吸入しない」というご相談でした。症状を聞く限り、2点の問題が考えられます。1つはピ…

エバーシャープのプランジャー式修理 / EVERSHARP Doric

今回はオノトとは別のプランジャー式万年筆の修理をご紹介します。アメリカのエバーシャープ・ドリックの修理依頼が2件も重なったため、採り上げることにしました。ドリックにはレバー式とプランジャー式の2つの吸入方式がありましたが、後者の方が生産数が…

『プランジャーロッド製作』 ピン用の材料導入で作業性アップ / Onoto

オノト・プランジャー式万年筆の修理依頼は割と多く、過去何度かご紹介しました。今回はプランジャーロッド製作過程の補足と、クロスピンについて触れます。 初期モデルとそのモデルチェンジ版であるストリームラインの2本を同時にお直ししました。まずはシ…

前期型と後期型をまとめて / Pelikan 101N Light-tortoise, 100N Marbled green CN

ペリカン100Nシリーズのボディ製作修理をご紹介します。構造がやや異なる新旧2本を、比較する形で採り上げてみました。 こちらは前期型にあたる101N ライトトータス・ブラウン軸。 インクと経年の汚れで、インク窓に大きなクラックが数か所あります。インク…

大修理 / WATERMAN Watermina Night And Day

ウォーターマンの”ウォータミナ”万年筆をお直ししました。それも直すべき箇所満載の、大修理とあいなりました。モデル:Watermina 44 Night And Day 概ね以下の症状です。 ・キャップ内側のとば口が、一部欠損 → ネジがないため、閉められない ・キャップト…

今度はロングインクビュー / Montblanc L139G

前回の修理から丁度1年後に、同じモンブラン 139 の胴軸製作の依頼がありました。 その前回がこちら ☟ hikkigukobo.hatenablog.com 内容がほぼ同じなので、解説と写真はかなり端折ります。 大きな違いは今回の破損品はロングインクビューだったことです。オ…

ボールペンのグリップ折れ / Montblanc Limited Edition Marcel Proust

机からの落下の衝撃により、グリップが分離破損してしまった銀軸のボールペンをお直ししました。このペンはモンブランの作家シリーズ(限定)で、1999年発売のマルセル・プルースト(万年筆・ボールペン・ペンシル)。 本体軸と繋ぐ雄ネジのほぼ根元から、水…

ボールペン修理日誌 ~ツイストメカすっぽ抜け~ / Louis Vuitton

胴軸とキャップチューブが固定されなくなったボールペンをお直ししました。ルイ・ヴィトンのジェットラックというスリムなモデルです。胴軸とキャップはネジで固定されていますが、スカスカな状態でネジ山が全く噛み合わずすっぽ抜けてしまいます。メタルの…

コルクスタッドの再生 / Montblanc telescopic piston

モンブランのテレスコープ吸入式の修理と言えば、まず第一に摩耗したコルクの交換。その一方でコルクを取り付け、固定させるためのスタッドやナットがダメになってしまっている例も少なくありません。コルクスタッドとは、(コルク)シールを取り付けるため…

パーツ破損&紛失 / PARKER 65

歴代パーカーの中ではややマイナーな部類に入るモデル、パーカー65をお直ししました。時代的にパーカー61にほぼ被るシリーズで、ペン先の形状以外、サイズや共通パーツもあって兄弟のような位置付けだったようです。そんなモデルだけあって、当工房でも修理…

パーツの寸法は違えど / Montblanc Meisterstück 142

古いモンブランの万年筆の胴軸を2本まとめて作りました。モデルは14Xシリーズ最小の、マイスターシュテュックNo.142。どちらも前期型の、それも胴軸がほぼ同じ壊れ方だったため、効率良く直せました。 この万年筆は吸入不良のピストンシールを交換するために…

オリジナルの胴軸を引退させて / PELIKAN 400 Mother of pearl

胴軸が破損したペリカン500のマザー・オブ・パールをベースに、持ち主様のご依頼で首軸を含む胴軸全体をカスタマイズの形で作りました。 写真のように、マザーオブパール(セルロイド)の表面が網の目のようにクラックが入ってしまっており、最初からこの軸…

キャップ縁の修復 / Montblanc Limited Edition Agatha Christie

モンブランの作家シリーズ(限定版)、アガサ・クリスティーのボールペンのキャップをお直ししました。キャップの縁の一部が、大きく欠損してしまっています。一旦残りの部分も削り取って、同じ黒い樹脂材を使って縁部分を作って接合する方法を採りました。 …

大型のピストンシール製作 / Montblanc Meisterstück 149 1960s

モンブランNo.149のインク漏れを直しました。149のなかでも滅多にお預かりする機会のない、通称”第2世代”、1960年代のモデルになります。オリジナルのピストンシールの経年収縮が原因と見られ、吸入・排出を繰り返すと、徐々にシール裏側にインクが入り込み…

ボールペンのキャップを繋ぐ / PARKER 75

キャップチューブの頭をノックして、芯の出し入れを行うキャップスライド式のボールペンをお直しします。そのキャップと軸が内部パーツの破損により分離してしまい、固定出来なくなってしまっています。本来はキャップチューブ内のスライドメカのねじで固定…

インク漏れが示すもの / AURORA 88 Luna

インク漏れのするアウロラ88をお直ししました。直したと言っても、例の如くインクビュー一体型のインクタンク全体を作って取り付けたお話です。 この記事を書いている現在、88のインクタンク製作経験は3本になりますが、一番最初に依頼された1本がこの万年筆…

吸入方式を変更 / PILOT SUPER 500

パーツ在庫終了により、メーカーに修理を断られたパイロット・スーパー500。吸入器と胴軸の破損で、使えない状態でした。写真のように、胴軸がとば口側から破損、一部欠損してしまっています。 胴軸を開けると、本来装着されている筈のノブ式の吸入器が外さ…

天ビスの再生 / Montblanc 74

天ビスの破損したモンブラン No.74です。ホワイトスターの再生までは出来ませんが、黒の樹脂で同じ形のパーツを拵えることで、修理対応をしました。すでにトップの半分は欠損しており、見た目だけではなくクリップも固定できない状態でした。 セルロース樹脂…

直すついでのカスタマイズ② / Montblanc Meisterstück 134

胴軸がひび割れたアンティーク万年筆を、お客さんご自身が入手された材料を使ってボディを作るという、なかなか凝ったご依頼をいただきました。万年筆はモンブランNo.134 で、使う材料は戦前(外国製)のカラーエボナイト。同時にお預かりの材料も製造された…

直すついでのカスタマイズ / Montblanc Oscar Wilde

オスカー・ワイルドの各パーツを使って、胴軸をエボナイトで作って欲しいというご依頼がありました。お預かり時の状態がコチラ。 ※吸入ユニットは弊所で取り外し 胴軸を作って付け替える作業の積りでおりましたが、実際はもっと大がかりな修理を前提としたカ…

オプティマ3本まとめて~ / AURORA OPTIMA

インクタンク破損のアウロラ・オプティマの修理依頼が3本も重なってしまったため、まとめてお直しした記録をご紹介します。 ・マーレ(限定) Marle ・ジュエリーコレクション/シルバーキャップ(限定) Jewelry Collection No.G11 ・バーガンディ Burgundy…

ピストン式万年筆のシールパッキン製作

ピストン(回転)吸入式万年筆の故障で最も悩ましいのが、吸入不良や後ろからのインク漏れでしょう。インクを吸入・排出する原理は、注射器とほぼ同じ。シリンダー内のシーリング・パッキン、すなわちシールが胴軸内面にぴったり密着して一定の真空を生み出…

金属製ペンシルの内軸再生 / Montblanc No.1586

修理対象品;モンブラン No.1586 1970年代 ノック式ペンシル 芯 : 0.92mm ボディ : 18Kホワイトゴールド無垢 キャップチューブを受ける胴軸側のガイドねじが破断してしまっています。 こちらは今のところ機能していますが、キャップチューブ側の雌ねじも大き…

キャップが閉まらない / Delta Limited Edition Antiche Repubbliche Marinare

胴軸ねじ山の崩壊により、キャップが締められない状態の万年筆をお預かりしました。●デルタのレプブリケ・マリナーレ 2/3以上、ねじ山が剥がれ落ちているため、キャップのネジとは全く嚙み合いません。※太いOリングは、オリジナルにはなかった筈の物です。 …

エンドビスの紛失で・・・・・・。 / Sailor 旧銘木万年筆

セーラーの(旧)銘木シリーズの万年筆で、胴軸のエンドビスが紛失してしまっています。メーカー側のパーツ在庫終了とのことで、ご相談を受けました。胴軸ボトムの本来ある筈のエンド部がありません。 胴軸の底から: エンド部がないとポッカリと開いた穴が…