オリジナルの胴軸を引退させて / PELIKAN 400 Mother of pearl

胴軸が破損したペリカン500のマザー・オブ・パールをベースに、持ち主様のご依頼で首軸を含む胴軸全体をカスタマイズの形で作りました。

写真のように、マザーオブパール(セルロイド)の表面が網の目のようにクラックが入ってしまっており、最初からこの軸を活かした修理ではなく、新規で製作の方向で話が進められました。最終的にご用意できる材料の中から、胴軸/首軸をオレンジ&黒のカラーエボナイト、インクビューを明るいブラウンという組み合わせに決まりました。

 

カラーエボナイトで首軸を作っているところ。写真から、首穴のソケット受けネジを切り終えているのが分かります。

 

胴軸のエンドを除いて、ほぼ削り終えました。この後、少しずつ削ってキャップの収まり具合を調節していきます。

 

インナー兼インクビューを染色、エボナイトも磨きの仕上げを行いました。

 

吸入ユニットを取り付けて、完成。

 

ヴィンテージ万年筆でも持ち主によって付き合い方(考え方)は様々です。今回のように、実用のためにボディを一新しつつ、破損して使えなくなったオリジナル部分はそのまま保管するという考えの方も少なくありません。