キャップチューブの頭をノックして、芯の出し入れを行うキャップスライド式のボールペンをお直しします。そのキャップと軸が内部パーツの破損により分離してしまい、固定出来なくなってしまっています。本来はキャップチューブ内のスライドメカのねじで固定される構造で、芯の交換のときだけ回して開け閉めを行います。破損のボールペンには、ねじが見当たりません。胴軸の繋ぎの部分に残る黒いわっか状の物は、破断したメカの一部。
ねじから上を境に分離破断した、キャップスライドメカの一部が軸側に持って行かれてしまった状態です。メカをキャップチューブから取り外しました。薄いパイプ状のパーツが水平破断してしまっているものだから、まず接着は不可能。
軸側に残っていたねじを取り外します。
ねじ枠部分を別に作り、上側のカバーに接着固定する方法で修理を行います。
カバー入口の内側にねじを切り、軸側とのねじの噛み具合を見ながら微調整を繰り返します。
メカ本体と接合。
切ったねじ。
継ぎ足した見てくれは良くありませんが、ここはキャップチューブ内に収まり、例え芯交換のときでも見えないのでこれで十分です。軸側の雄ねじも見えますね。
仮付けの状態で、ノックして芯の出る位置を確認。
機能的に問題がないことを確認したら、ようやくメカをキャップチューブ内に取り付けて、修理が完了しました。破損前も、キャップ内のこの位置にねじが見えていたことになります。