前回に続き似たような竹風のストレート型、それもインク止め式の製作をご紹介します。竹+インク止めとなると、弊工房としましても最も製作難易度が高い万年筆の一つです。
どの軸を製作する場合もそうですが、無垢の材料からドリルで下(した)穴をあけると結構なクズが発生します。
4条ネジを切って、首軸を仮締めしたところ。
青緑の軸も同様に。
ここはパッキンユニット。
パッキンとナットを入れる穴を空け、尻軸と接続させる外ネジを切ります。
尻軸とネジで接続
パッキンのナットを製作
パッキンを入れ、先ほど作ったナットを閉めます。
すべてに尻軸(一番下の節)を取り付け、胴軸が完成。
キャップ側の製作。胴軸に被せる4条の内ネジを切ります。
胴軸との締り具合を確認+微調整
キャップ完成。次に装飾加工である、節と節の間を湾曲に削る最も困難な作業です。
外径削りが完了しました。
次にインク止め式に欠かせない、中芯作り。Φ3mmのエボナイトの中に、折れ防止用のピアノ線が入っています。
中芯後軸をテーパ状に少しだけ削ります。
尻軸内部と接続させるための、逆ネジを切ります。この工具は特注です。
先ほど入れておいたパッキンに中芯を通し、そしてやっと尻軸と繋ぎます。写真はペーパー研磨を終えた状態。
インク止式なので、取付けが終わったら胴軸に水を入れて、バルブ(尾栓)開封によるインク出/インク止の試験を行います。
バフ掛けを行い、水洗いして完成!