修理日誌 キャップネジの再生 / HARRY WINSTON

修理依頼のペン:ハリー・ウィンストン ローラーボール

ネジ式キャップのペンで、キャップ内部のネジが分離破損して閉まらなくなりました。ネジが半分以上失われています。一方胴軸側にもげたネジの樹脂部分が持ってかれています。

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本来ネジ山が見える部分です。

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 ネジ部分の樹脂を取り外して、胴軸側のネジ山が現れます。

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これから樹脂を埋めてネジを切り直します。でもその前に材料埋込のスペース確保のため、キャップ内部をより深く削って樹脂を取り除きます。

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キャップに埋めるエボナイトを切削、ネジ切りを行います。外国製のアクセサリーブランドに多く見られる、ピッチ1(1ミリ)のやや粗いネジで、工具もミリネジ用のクシガマを使います。このピッチのクシガマは割と出番が少なく、久しぶりの活躍でした。

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胴軸を閉めながら、ネジ切りを調節します。

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ピタッ。この後材料をカットして、キャップ内部に接着で埋め込みます。

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ネジの修復が終わり、修理作業は完了しました。この修理は(同じモデル&同じ破損個所で)過去2回やっています。当然、素材の弱い所が同じだからか、偶然とは言えないようです。

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