モンブランのローラーボール(限定品:マイルス・デイヴィス)をお直ししました。ご覧のように、胴体が樹脂とメタルの境目から真っ二つに折れています。
本来は胴軸の破断面にはグリップを取り付けるための、雄ネジがあった筈ですが首軸側に持って行かれてます。
接着による応急処置を施しましたが、振動等で数日後にやはり再び折れてしまいました。接着シロが狭い”端面”というのは、実用には無理がありますね。
別の手段で修理を再開することにしました。内部に持って行かれた樹脂を少しずつ削りながら取り出し、樹脂とともに固着されてしまっていた、グリップ部もようやく外れました。30分以上掛かりました。
破断した胴軸側に載せた状態。この状態で首軸(グリップ)を、リフィル交換の際に付け外しが出来ていた訳です。
そこで胴軸とメタルネジをしっかり固定させ、且つ首軸の受けネジ用の樹脂を再生させるため、(写真)真ん中のような一体型のパーツを制作しました。同時に、これを取り付けるためのスペース+ネジ切りを胴軸側の穴にも施しました。
表側上下2種の外ネジ、そして内部には首軸受けの内ネジという、ねじの塊のようなへんてこなパーツです。しかし、このパーツこそが実用的にお直し出来る要の物なのです。細かい粉が付いているのは、削ったばかりの洗浄前だからです。
まず胴軸側に下方を取付け・接着。
そしてキャップ受けのリングネジも接着。内側に見える黒いネジは、もちろん再生したものです。この状態こそ、破損する前の姿(だった筈?)です。
接着が乾燥したら、修理完了となります。いつもオリジナルの外観を損ねずにお直し出来れば理想なのですが・・・。