修理日誌 インナーセクション製作 / WATERMAN Le Man 100

ウォーターマン ル・マン100&200 に多い修理依頼が、首軸内部の破損です。

薄い樹脂のインナーセクションが千切れたりして、首軸のパーツがばらばらに外れてしまうのです。今回の例は、キャップを抜いたらペン先ごとすべてキャップ側に持って行かれ、外れないというものでした。

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キャップを引き抜いた状態

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ペン先ユニットごとキャップ内に残ったまま

 

最初の作業がキャップ内に残る一式をすべて取り出す作業です。その辺のペンチやピンセットの類ではまず取り外せません。どの道穿刺チューブは後から作るので傷つけてしまっても構わないのですが、その内側に収まるペン芯の細管だけは絶対に壊してはいけません。

持って行かれた部分はすべて引き抜きました。メタルのジョイント部とネジ留めで取り付けるインナーセクションの樹脂ネジが破断しています。これが抜けの原因です。

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ユニットを取り出す

 

ジョイント内部に残ったネジの残骸を取り出します。

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この修理のメイン、インナーセクション(下)をオリジナルと同じ寸法に削って作りました。カートリッジやコンバーターに取り付ける”穿刺チューブ”も別体で作り、取り付けてあります。

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すべてをネジ留めして出来上がり。オリジナルより耐久性は向上していることでしょう。

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完成したインナーを取付け、修理完了

 

手持ちのル・マン100の破損した予備群です。今回と同じようにインナーを作ればちゃんと使えます。

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