ボールペンの修理 / PARKER Jotter

パーカーの超ロングセラーである、ジョッターシリーズのボールペンをお直ししました。リフィル交換の時に開ける、胴軸側のネジが折れて真っ二つな状態です。ご依頼のジョッターは見た目は現行とほぼ変わりませんが、50年以上前のジョッター初期型のようです。実はお問い合わせ時に一度メーカーへの修理依頼をお勧めしました。現行品やメーカーのアフターサービス対象品はお受けしていない上、このボールペンは修理代で新品が買えてしまうぐらいのお値段だからです。しかしどうしても思い出の軸のまま直して欲しい、とのご希望でしたのでお引き受けしました。

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切断して破断の傷を綺麗に削っていきます。ここから別の材料を削って、接着して埋め込むのです。

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接着が済んだら、リフィルがスムーズに入る程度の穴を空け、ネジを切ります。左は近年の同じジョッターです。ネジのピッチが全然違います(現行モデルの方がネジピッチが遥かに粗い)ので、どの道現行のパーツと取り換えても合わないことになります。

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キャップチューブを閉めて、修理が完了しました。ノックして調子よく芯の出し入れが出来ますので、これまで通りお使い頂けます。今回の修理加工費3,000円+税で、前述の通り新品のジョッターが買えてしまいます。しかし、それをご承知で修理を依頼される方も結構いらっしゃいます。それだけ思い入れのある道具だからこそなのですね。

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