カートリッジ式のインク漏れ / PLATINUM 旧#3776バランス(エボナイトペン芯)

首軸周りからインクが漏れて手が汚れる、という修理のご相談を頂きました。
プラチナ#3776 の旧型で、ペン芯はエボナイト製。年式的にメーカー対応可能な筈です。しかしお客さんが問い合わせたところ、修理可能だけどペン芯も交換が必要で後年のプラスティック芯に替えなければならないそうです。依頼主様はどうしてもオリジナルのエボナイトペン芯のまま使いたいとのことで、弊所へ依頼されました。ここ同じ形状のペン先でも、ペン芯の違いでコネクターも別パーツになるのですね。

 

分解してみて、インク漏れの原因がすぐ分かりました。首軸内部でペン先とペン芯を固定するコネクターにひび割れが数か所ありました。このクラックから漏れたインクが首軸内壁を伝って、装飾リングから外側に出ていたことになります。当然、この辺りを握って書く訳ですから指はインクで汚れます。分解して取り外したら、元々数か所のクラックで崩壊寸前だったので、真っ二つに分断してしまいました。依頼された時点で既に限界だったのです。

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破断したコネクターの寸法を測り、エボナイトで同じ物を作りました。

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シーリング材を塗り、パーツをすべて元通り組み合わせて作業は完了。

後は洗浄してインクを入れ、数日置いてインクが滲出しないかをチェックします。組み立ててしまえば、どこをどう直したかパッと見には分かりません。強いて言えば首軸端面、装飾リングの内側の見えている部分がオリジナルのプラスティックからエボナイトに変わっている点ぐらいです。少なくとも、エボナイトで作ったので内部はオリジナルより丈夫に生まれ変わったことになります。

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